IT特許における分割出願の必要性について
IT分野については、1件の特許出願をすればよい、という感じではありません。市場動向や自社の開発状況を見ながら、戦略的な分割出願が「攻め」と「守り」の両面で不可欠となってきてきます。
現在、IT分野における日本の特許出願全体の中で、分割出願は、約15%~20%に達しているようです。
以下では、分割出願のメリットを列挙します。
- IT製品の「進化」と特許の「ズレ」を解消する
IT製品のアップデートの速さに応じて、親出願における権利範囲を、シフトさせたり、広げたり、調整したりすることができます。 - 競合他社への対策
特許が成立(登録)してしまうと、その権利範囲は固定されます。自社の権利範囲をできる限り長期に渡って不安定な状態(審査中の状態)におくことは、競合他社に対する牽制となります。
例えば自社サービスを模倣してきた競合他社に対して、その構成をピンポイントでカバーするように権利範囲を修正して特許を取得することもできます。 - 「広い権利」へのチャレンジ
親出願について拒絶理由通知を受けて、独立請求項に係る発明を、従属請求項aに係る発明に限定しなければならない場合があります。このとき、分割出願では、独立請求項に係る発明を、明細書に記載された他の構成要素を付加した広い権利範囲で再度、出願することができます。希望する場合もあります。
(1)まずは、認められた権利範囲でサクッと特許を取得し、早期に「特許保有」の実績を作る。
(2)同時に、分割出願を行い、認められなかった「広い範囲」や「別の角度からの権利」について、粘り強く審査官と交渉を続ける。