生成AIを用いた発明の壁打ちは、何故上手くいかないのか?
最近、生成AIを使えば、特許発明を容易に洗い出して、明細書が完成すると、安易に思われている風潮が気になっています。
しかしながら、生成AIとの壁打ちは「発明を現実から遠ざける」という大きな問題があります。大きく以下の4つの問題があります。
- 生成AIは、「もっともらしさ」を優先する!
そのために、論理的・技術的な正当性を無視した発明を平気で提案してきます。即ち、「自然で整合性の取れる文章」を出力しているに過ぎないことに注意すべきです。ユーザは、その点を気にせず、生成AIの発明を安易に信用することは危険です。 - 現場の「泥臭い技術的な制約」が反映されていない。
特許発明の神髄は、現場の課題に宿っています。設計値や製造プロセスといった具体的な「ノウハウ」から課題が生じています。生成AIとの壁打ちは、概念的な会話に過ぎず、現実の製品開発に不可欠な「制約条件」が完全に置き去りにされしまいます。 - どこに技術的な 「ハルシネーション(嘘)」が含まれているか、が全くわからない。
このような発明を前提にして特許戦略を立てると、特許庁の審査段階で指摘された際に、完全に瓦解していしまいます。最悪、無効理由を含む場合もあります。 - プロンプトで特許の進歩性を制約条件とするほど、全く違った方向の発明へ飛んで行ってしまう。
生成AIと壁打ちの際に進歩性を追求すると、否定的に走って、複雑な発明へ誘導されていきます。
特に、生成AIと発明の壁打ちを始めると、収集つかないような思考に陥れられることになります。生成AIで検討した発明は、その専門分野に精通した弁理士や知財部との間で、再度の壁打ちを絶対に!すべきです。
結局、「発明を現実のものとして完成させる責任は、常に人間にしかない」ということです。