情報技術専攻 早原特許技術事務所

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Date:2026年2月9日 | Category:

自社事業の強みにAIを掛け合わせる」という戦略を持つことが重要と思います!
ここで、自社事業とは、オンラインサービスに限りません。全ての業種が対象となります。
「ITとは無縁だと思ってきたアナログな業種」こそ、AIによる爆発的な進化の可能性を秘めています。

 

自社事業×AI=競争優位

 

特に生成AIの特許は、「アルゴリズム」の権利を取得するのではなく、「ビジネスモデル」の権利を取得することになります!

 

簡単な具体例を説明します。

  1. 老舗のパン屋 × 需要予測AI
    自社事業:パン屋
    強み: 長年の経験による「美味しいパンを作る技術」
    ×AI:過去の販売データ、天気、近隣のイベント情報から、生成AIがその日の最適な焼き上げ個数を算出する。
  2. 解体業 × 画像認識AI
    自社事業:建設業
    強み: 現場での安全管理ノウハウと熟練工の目
    ×AI:現場設置したカメラやドローンの映像から、生成AIがリアルタイムに解析する。ヘルメット未着用や危険な重機の動きを自動検知してアラートを出す。
  3. 伝統工芸・町工場 × 熟練技の言語化(LLM)
    自社事業:伝統工芸業
    強み:職人の頭の中にしかない「感覚的なコツ」
    ×AI:職人の作業映像や指示、過去のトラブル対応記録を生成AI(LLM)に学習させ、技術継承マニュアルやFAQを自動的に生成する。

 

生成AIは、GeminiやOpenAIなどの共通基盤(API)を使っています。つまり、道具はみんな同じであって、差がつくのは、「現場特有のどんなデータを入力し、どのような手順で、どんな価値ある出力を得るか」というプロセスの部分です。

 

自社事業×生成AI=特有のビジネスモデル

 

特許で「参入障壁」を作る生成AIの世界は進化が速く、今日作ったサービスが明日には古くなってしまいます。
しかしながら、競合他社が少しでも同じ土俵に上がれなようにするためには、特許が必要となってきます。
AIの回答精度を競うのではなく、「生成AIを使うことで、顧客のどんな不便が解消されるか」という一連のストーリーを、ビジネスモデルの特許として権利化を目指します。

Date:2026年2月9日 | Category:

「汎用的な生成AIを用いることに特許性があるの?」と思われることもあると思います。
しかし、まずは、自社事業における「当たり前の工夫」にこそ注目してください。
近年、AI開発現場は、複数の生成AIを組み合わせた「エージェント型」「オーケストラ型」と移行しています。

 

今回は、エージェント型生成AIについて発明を抽出する際に、どのような視点を持つべきかを説明します。

  1. 「自社事業のフロー」に最適化した判断ロジック
    生成AIの本質は、プロンプトによって「判断、判定」させることにあります。ここで、生成AIを起動させるタイミングを考えます。
    ・どのタイミングで、生成AIを実行させるか?
    ・複数の生成AIを、どのようなフローで実行していくか?
    ・全体として高速したフローで、複数の生成AIを実行するには、どのような全体構成にするか?
    自社事業特有のフローを、生成AIに例えて考えていただきたいと思います。
  2. 「汎用ツールの組み合わせ」に宿る独自性
    汎用の生成AIを用いたとしても、「どのツールを、どの順番で、どのような条件で組み合わせたか」を考えてください。
    ・複数のデータベースに対して、クエリの内容に応じて検索の重み付けをどう変えるか?
    ・プロンプトによって、生成AIの「振る舞い」をどのように統制するか?
  3. ビジネスの安定運用に欠かせない」発明
    ・ハルシネーションを防ぐための、複数の生成AIの組み合わせ
    ・トークンコスト低減のための、複数の生成AIの組み合わせ
    ・ユーザの意図に応じた、複数の生成AIの組み合わせ

 

「こんな細かい工夫なんて、特許になるはずがない」と思考を停止することは機会損失の1つです。
なぜその処理が必要だったのか」という課題解決のストーリを言語化することは、生成AIの組み合わせを思考することと同じことです。

Date:2026年2月8日 | Category:

1.発明の3つの型

「発明」とは、天才的なひらめきや、企業の研究所が生み出すもの、というイメージがあるかもしれません。
しかしながら、発明には「3つの型」があると言われています。

  1. 言語モデルのアルゴリズムのような、根本的な研究や技術開発によって抽出される発明(第1の型)。
  2. 特定の装置やプログラムについて、 精度や速度を向上させていく狭く深く入る発明(第2の型)。
  3. ビジネスモデルのように、既存技術AとBを組み合わせて、新たな効果を奏する発明(第3の型)。

実は、第3の型が、ビジネス的には有効であって、比較的抽出しやすい発明となります。

 

2.第3の型の発明の抽出方法

  1. 自社のサービスや技術、将来やりたいことを、1つずつ小さな札に書く。
  2. その札を箱に入れて、ガラガラと混ぜる。
  3. 箱から3枚の札を取り出す。
  4. その3つを組み合わせた発明を、5分間だけ「頭がちぎれるほど」集中して考える。
  5. 考えついたらノートにメモし、考えがつかなかったらその日は終わる。

3.社内文化としてのブレインストーミング

  1. 3つの箱を用意する。
  2. 第1の箱に、自社技術を記載した札を複数入れる。
  3. 第2の箱に、自社サービスを記載した札を複数入れる。
  4. 第3の箱に、世の中の動向や他社サービスを記載した札を複数入れる。
  5. 第1~第3の箱それぞれから、札を1枚ずつ取り出す。
  6. その3つを組み合わせた発明を、5分間だけ「頭がちぎれるほど」集中して考える。
  7. 考えついたらグループ内では発表し、雑談のように話し合う。
  8. ※ブレインストーミングでは、他者のアイデアを絶対に批判してはいけません(ルールです)。更にかぶせて、そのアイデアを膨らませることが重要です。

一見、関係なさそうな要素が組み合わさることで、「あ、これは面白いかもしれない!」という、これまでの常識にとらわれないアイデアが次々と生まれます。

 

4.発明は「センス」ではなく「習慣」

このようなブレインストーミングをグループ内で習慣化することによって、「既存の要素を新しい視点で見つめ直すこと」ができます。単なる特許出願のためではなく、小さな事業戦略につながると思われます。

Date:2026年2月8日 | Category:

自社事業から発明を掘り起こす「発明抽出」は、競合他社に対する優位性を築くための極めて重要なプロセスです。しかし、「何が発明に該当するのかわからない」というのが普通です。

 

発明抽出について、弁理士の5つの視点をご説明します。

  1. 特許は自社事業を守るためのものですので、発明も、自社事業から掘り起こすことが重要です。
    発明抽出には、とにかく少人数のグループディスカッション(ブレインストーミング)が重要です。
    このとき、重要なのは、リーダの「質問力」です。
    最初は、できる限り、(1)多様且つ多数のアイデアを抽出させていきます。その上で、(2)その大量のアイデアを、自社事業に沿って収束させていきます。
  2. アイデアは、自社事業の「課題」から逆算すると考えやすいです。
    発明とは、大発見である必要はありません。、開発設計過程で直面した「小さな不便」や「エラー」をどう解決したか、に注目してください。
    ・処理速度を上げるために工夫した構成やアルゴリズムは?
    ・通信の安定性を確保するために追加した制御フローは?
    ・ユーザの誤操作を防ぐために導入したユーザインタフェースは?
  3. 「ビジネスモデル×技術」の掛け合わせで考えてください。
    自社ビジネスに、汎用的な既存技術を適用した場合、「特有のデータ制御」や「生成AIに対するプロンプト」の工夫も注目してください。
  4. 他社が真似したくなるポイント」を探ってください。
    「もし競合他社が同じサービスを始めたら、どこを真似されると一番困るか?」という視点を持ってみてください。
  5. 発明抽出を、「社内の文化」にしてください。
    これは、1回のミーディングではなく、継続的なプロセスにしてください。例えば定例会議に10分だけ、全員でアイデアを言い合う場があってもいいと思います。
    「これは特許になるかも?」と気軽に相談できる雰囲気を作ることが重要です。

 

自社事業に基づく発明について、特許を取得することができれば、広告宣伝として機能するだけでなく、事業の参入障壁を構築することになります。

Date:2026年2月8日 | Category:

「特許公報」は、「権利関係が書かれた読みにくく難しい法律文書」というイメージを持つかもしれません。

しかし、特許公報は、その企業が注目する「技術動向の情報誌」でもあります。

 

特に、競合他社が次に何を狙っているのか、業界全体がどの方向に進んでいるのかを読み解く上で、これほど信頼できる情報はありません。そのためにも、自社から見て、競合他社の特許公報は常にウォッチしておくことが重要です。

公開特許公報は、出願後1年6カ月で必ず公開されます。また、特許出願後、早期審査によって特許査定となった発明は、特許公報によって直ぐに公開されます。

 

特許公報は、弁理士であっても、非常に読みにくいものです。概念的に記載されており、何を言っているのかサッパリわからない、ことも多いと思います。

そこで、簡単なコツをお教えします。最初に重要なのは「木を見ず、森を見る」イメージです。

  1. 特許庁のJ-Platpatから、競合他社の「企業名」で一覧を検索します。
  2. 最初は、登録番号(特許番号)が付与された特許公報を開きます。
  3. 【要約書】と【図面(選択図)】のみを閲覧していき、その企業が出願している技術内容の雰囲気のみを見ていきます。
  4. 注目すべき特許公報が見つかった場合、【発明が解決しようとする課題】【発明の効果】を最初に読みます。課題・効果の記載から、その発明が何をしたいのか、を大凡理解します。
  5. 次に、【図面】を眺めます。競合する同業者の特許公報であるほど、何をしようとしているのか、大凡理解できると思います。
  6. 自ら目的に近い特許公報であった場合、その特許公報のFターム、FIターム、IPC等を控えておきます。
  7. 更に、特許庁のJ-Platpatから、「企業名」&「Fターム」等によって検索して絞り込みます。

 

注目すべきは、特許公報(特許番号付与)の場合、特許請求の範囲の【請求項】の記載には、下線が引かれている場合があります。これは、拒絶理由を解消するために限定された部分ですので、非常に重要な部分となります。

 

技術者にとって、自社出願も重要ですが、競合他社(仮想敵国)の技術動向を知ることは極めて重要です。その中に、次の開発のヒントが含まれている場合があります。

 

弊所でも、競合他社の技術動向ウォッチサービスも提供しております。ぜひ、相談ください。

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