情報技術専攻 早原特許技術事務所

ブログ

Date:2026年2月8日 | Category:

1.「プロンプト」は特許の対象になるか?

プロンプトは、人の自然言語に過ぎず、生成AI側で様々ケースを想定して回答文を出力しています。しかしながら、プロンプトとして、生成AIに十分な情報と適格な指示を与えることによって、その回答精度を高めることができます。プロンプトは、ある意味、プログラムソースコードのようなものであり、安易に周知公開していいものでもありません

  • 特許にならない例:
    プロンプトとして、単に「あなたはソフトウェア技術者です。・・・について回答してください。」と入力しても、これは「人間による言葉の使い方の工夫(精神活動)」とみなされ、技術的手段でもなく、特許性が認められません。
  • 特許になる例:
    ユーザの入力情報に応じて、特徴あるパラメータや情報を含むプロンプトを自動的に作成し、そのプロンプトを生成AIへ入力し、回答をユーザへ返答するシステム」は、プロンプトの自動制御に特徴があり、特許性が認められます。

2.想定例:「カスタマーサポート・エージェント・システム」

ユーザが曖昧な質問をした場合、汎用的な生成AIでは一般的な回答しかできません。
例えば、RAG(検索拡張生成)のような、「コンテキストを自動補完してプロンプトを動的に生成する発明」を考えてみます。

  1. ユーザの入力文から、コンテキスト(外部情報)を検索する。
  2. そのコンテキストとユーザの権限レベルに応じて回答することを指示する第1のプロンプトを作成し、第1の生成AIへ入力し、第1の回答文を得る。
  3. 第1の回答文にハルシネーション(嘘)が含まれているか否かを判定するべく、第2の生成AIへ入力し、判定結果を得る。
  4. ハルシネーションを含むと判定された場合、第1の回答文からハルシネーションを除去した第2の回答文を作成するべく指示する第2のプロンプトを、第1の生成AIへ入力し、第2の回答文を得る。

3.請求項(クレーム)でチェックする点について

  1. 主語は、「人」ではなく、必ず「~手段」とする。「ユーザが・・・をA手段へ入力する」ではなく、「A手段がユーザから・・・を受信する」という記述する。
  2. 生成AIに入力するプロンプトについて、特徴あるパラメータや情報が含まれることを明確にします。
    「何に基づいて」「どのように判定して」プロンプトを記述しているのか、を論理的に記述します。
  3. プロンプトに数式的な制御を加える場合、数式そのものを請求項に記載するのではなく、その数式の概念(入力・処理・出力)を論理的に記述します。

4.特許化の必要性について

  1. 「プロンプトエンジニアリングなんて、ノウハウに過ぎない」と考える方もいます。
    しかし、API経由でサービスを提供している場合、入出力のパターンからプロンプトの構造をある程度推測(プロンプト・インジェクション攻撃など)できます。
    特許化することによって、自社事業の模倣から防止する手段となります。
  2. 生成AIを用いたサービスを提供する場合であっても、バックエンドの生成AIの特徴ある制御を特許化することは、サービスの技術的優位性の証明になるだけでなく、顧客に対する広告宣伝として機能します。

5.エンジニアが意識すべき点について

  1. プロンプトの中に、コンテキスト(外部情報やベクトルなど)を組み込んでいるか?
  2. ユーザの入力文を、そのままではなく、所定条件に基づいて更新しているか?
  3. 1回の生成AIの利用でなく、複数回の生成AIの利用(例えばマルチステップ(Chain of Thought)」を自動化しているか?
  4. 生成された回答を評価又は判定して、更にプロンプトを自動的に書き換えて再実行するループを構成しているか?
  5. トークン数を節約するために、特別なプロンプト制御や生成AI制御を実行しているか?

Date:2024年5月12日 | Category:

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7422375/15/ja

【特許番号】特許第7422375号
【登録日】令和6年1月18日(2024.1.18)
【発明の名称】着座したユーザの脚部の姿勢を推定する家具型機器、付属機器及びシステム
【特許権者】有限会社池谷製作所
【発明者】池谷英悟

【課題】
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた仮想空間(VR)体験が普及し、ユーザーはアバターを操作して仮想空間内を移動できるようになりました。しかし、一般的なHMDは、ハンドコントローラを用いて移動するため、現実空間での歩行はできず、没入感に欠けていました。さらに、ユーザーの脚部の姿勢(足踏みやジャンプ)を仮想空間のアバターに反映させることもできないという課題がありました。
また、ユーザの脚部の姿勢を検出するには、ユーザー自身の身体に姿勢検出センサーを装着する必要がありました。しかし、これはユーザーにとって面倒な作業であり、プライバシー侵害の懸念もありました。
【目的・効果】
本発明は、椅子状の家具型デバイスであって、着座したユーザの脚部(上腿及び下腿)の姿勢を推定することができます。HMDを装着したユーザが、足踏みやジャンプを行うことで、仮想空間内での歩行やジャンプを実現します。これにより、ユーザーはより自然な移動感覚を体験することができ、仮想空間への没入感を高めることができます。

【請求項1】
ユーザ自ら着座可能な家具型機器であって、
家具型機器の座面部以下の位置に配置され、着座したユーザの下腿周辺の面状の深度分布を計測するための1つ以上の下腿センサと、
下腿センサの計測した深度分布に基づいて、着座したユーザの左右の脚それぞれの足首の位置ベクトルj及び下腿の方向ベクトルlを下腿部の姿勢として検出し、当該足首の位置ベクトルj及び当該下腿の方向ベクトルlと、予め設定した又は別のセンサで検出した股関節の位置ベクトルhと、所定の上腿と下腿の長さ比αとに基づいて、着座したユーザの左右の脚それぞれの膝の位置ベクトルk、又は、膝の位置ベクトルk及び上腿の方向ベクトルuを、上腿部の姿勢として推定する姿勢推定手段と
を有することを特徴とする家具型機器。

Date:2024年5月12日 | Category:

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7285586/15/ja

【特許番号】特許第7285586号(P7285586)
【登録日】令和5年5月25日(2023.5.25)
【発明の名称】副端末と同一の仮想空間へ主端末を参入させる方法、システム、主端末、副端末及びプログラム
【特許権者】有限会社池谷製作所
【発明者】池谷英悟

【課題】
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた仮想空間(VR)は、近年注目を集めています。複数の人がHMDを装着し、同じ仮想空間を共有する「共有VR」は、ゲームやコミュニケーションなど、様々な分野で革新的な体験を提供します。
しかし、現状の共有VRシステムでは、現実空間の位置情報と仮想空間への参入が連携していません。具体的には、HMDを装着した複数のユーザーが現実空間で同じ場所にいても、仮想空間ではそれぞれバラバラの場所に現れてしまうのです。これは、HMD端末ごとに個別に仮想空間サーバにアクセスしているためです。
そのため、ユーザ同士が仮想空間で出会うためには、各自が手動で操作を行い、同じサーバに接続する必要があります。これは非常に煩わしく、共有VRの普及を阻害する要因となっています。
【目的・効果】
本発明は、現実空間で視認可能な位置にいるユーザを自動的に同じ仮想空間に参入させることができます。ユーザは煩わしい操作なしに、自然な流れで仮想空間での交流を楽しむことができます。

【請求項1】
主端末と副端末とを有するシステムの仮想空間参入方法であって、
主端末は、カメラを搭載し、副端末又はその周辺機器の物体形状又はマーカを予め記憶しており、
主端末は、カメラによる現実空間の映像から物体認識によって当該副端末又はその周辺機器の物体形状又はマーカを検出したか否かを判定する第1のステップと、
主端末が、真と判定した際に、副端末と同一の仮想空間サーバへアクセスし、同一の仮想空間へ参入する第2のステップと
を有することを特徴とする仮想空間参入方法。

Date:2024年5月12日 | Category:

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7266329/15/ja

【特許番号】特許第7266329号
【登録日】令和5年4月20日(2023.4.20)
【発明の名称】現実空間で視認可能な位置に存在する副端末を特定する主端末、プログラム、システム及び方法
【特許権者】有限会社池谷製作所
【発明者】池谷英悟

【課題】
オペレータがAR端末を装着し、現実空間と仮想空間を融合した情報共有を行うケースがあります。しかし、複数のHMD端末の中から、オペレータが特定のユーザと通信したい場合、そのHMD端末を直接指し示すだけでは、そのHMD端末と通信するためのアドレスを特定することはできません。当然ながら、AR端末に映る複数のHMD端末を指し示しても、そのHMD端末と通信することはできません。
【目的・効果】
本発明は、オペレータがAR端末に映り込む所望のHMD端末を指し示した際に、そのHMD端末のアドレスを自動的に取得することができます。これにより、オペレータのAR端末は、そのHMD端末と通信することができ、複数ユーザー間の円滑な情報共有を実現できます。

【請求項1】
カメラ及び姿勢センサを搭載した主端末について、現実空間で視認可能な位置に存在する複数の副端末と通信可能な主端末であって、
副端末それぞれから、端末識別子を取得する副端末検出手段と、
副端末検出手段によって端末識別子が取得された副端末それぞれから、所定時間毎に、副端末座標系Hの副端末姿勢TH2を受信する副端末姿勢受信手段と、
カメラによって撮影された映像から、現実空間の複数の副端末を認識する物体認識手段と、
所定時間毎に、カメラによって撮影された映像から、副端末それぞれについて、主端末の姿勢センサに基づく主端末座標系Aの副端末姿勢TA2を検出する物体姿勢検出手段と、
所定時間毎に、副端末それぞれについて、副端末座標系Hの副端末姿勢TH2の変位ΔTH2と、主端末座標系Aの副端末姿勢TA2の変位ΔTA2とを検出する姿勢変位検出手段と、
副端末それぞれについて、副端末座標系Hの副端末姿勢TH2の変位ΔTH2と最も近い変位となる主端末座標系Aの副端末姿勢TA2の変位ΔTA2の副端末を特定し、当該副端末の端末識別子を、映像から認識された副端末に対応付ける副端末特定手段と
を有することを特徴とする主端末。

Date:2024年5月12日 | Category:

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7130213/15/ja

【特許番号】特許第7130213号
【登録日】令和4年8月26日(2022.8.26)
【発明の名称】現実空間における副端末との相対位置姿勢を仮想空間内で維持する主端末、プログラム、システム及び方法
【特許権者】有限会社池谷製作所
【発明者】池谷英悟

【課題】
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた仮想空間(VR)コンテンツが普及し、ユーザはアバターを操作して仮想空間内を移動できるようになりました。しかし、ユーザと他のユーザとの間における仮想空間のアバターの位置関係は、現実空間の位置関係と異なることとなり、コミュニケーションに支障をきたす場合がありました。
【目的・効果】
本発明は、現実空間でのユーザの位置関係を、仮想空間でのユーザの位置関係として展開することができ、よりスムーズなコミュニケーションを実現できます。

【請求項1】
カメラ及び姿勢センサを搭載した主端末について、現実空間で視認可能な位置に存在する副端末と通信可能な主端末であって、
副端末から、当該副端末座標系Hの副端末姿勢TH2を受信する副端末姿勢受信手段と、
カメラによって撮影された映像から、現実空間の副端末を認識する物体認識手段と、
カメラによって撮影された映像から、副端末について、主端末の姿勢センサに基づく主端末座標系Aの副端末姿勢TA2を検出する物体姿勢検出手段と、
主端末座標系Aの副端末姿勢TA2と、副端末座標系Hの副端末姿勢TH2とから、現実空間の相対姿勢を算出する相対姿勢算出手段と、
現実空間の相対姿勢を、仮想空間サーバへ送信するサーバアクセス手段と
を有し、仮想空間サーバの同一の仮想空間内で主端末と副端末との間の現実空間の相対姿勢を維持する
ことを特徴とする主端末。

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